2016年5月  グループ山行

屋久島 宮之浦岳(1,936m)

鹿児島県屋久島町


宮之浦岳山頂


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アルバム(3)

5月10日〜12日
参加者7名  CL 滝  SL 坂井
三浦,宮木ス,安永,新江,作間
コースタイム
5/10 淀川登山口13:30〜淀川小屋14:30(泊)
5/11 淀川小屋6:35〜8:05小花之江河8:15〜8:30花之江河8:40〜9:45投石平10:00
   〜12:10宮之浦岳(昼食)12:40〜13:30平石展望台13:45〜新高塚小屋15:45
5/12 新高塚小屋6:40〜8:00高塚小屋8:15〜8:25縄文杉8:40〜10:25ウィルソン株
   10:35〜11:05大株歩道入口11:15〜トロッコ近道(昼食)〜楠川別れ12:30〜
   13:25辻峠13:30〜14:10白谷小屋14:20〜白谷雲水峡入口15:25
報 告
 九州新幹線は復興したが定刻運転は望めず鹿児島市で前泊。10日、雨の中、宮之浦港到着。港のすぐ側まで山が迫る。“海上アルプス”の屋久島へ着いた!しかし、目指す宮之浦岳は、前岳と呼ばれる外周の山を越え、その奥に幾重にも重なる山々を越え、円形の島の中心にある。運転手さんの屋久島ガイドを聞きながらタクシーで一気に1365mの淀川登山口へ。そこから雨支度をして重いリュックを背に淀川小屋を目指す。雨に濡れるサクラツツジが一層可憐。1時間余りで到着し、豪華すき焼きの夕食で満腹になり眠りにつく。真夜中、屋根を激しくたたく雨の音、稲光に目が覚める。
 翌朝、起きてみると何と雨は止んでいる。朝食を済ませ出発。水を汲んだ淀川を渡り、急峻な登りにかかる。モミやスギなどの大木に目を奪われながら、歩を進めて行くと、かまぼこ(豆腐?)に切れ目を入れたような岩を載せた山、高盤岳が目につくようになる。そして小花之江河へ。こんな所へ日本庭園を思わせる湿原が出現するとは。さらに同じ高層湿原の花之江河へ。シャクナゲの花はまだ早い。一面に咲いた光景は如何様なものか。黒味岳の東を迂回し、屋久島の主稜線に沿う岩道に出る。今までの樹林帯から抜け出て視界が広がり、ヤクザサの中の変わった形の岩、山々を楽しみながら北に向かって縦走する。しばらく歩くと前方の下った先にそびえる山が目に入る。あれが宮之浦岳だと登ったら、まだ先にピーク。栗生岳だった。次なるピークに向かうがまた少し先にピーク。宮之浦岳は双耳峰で、西側頂上にやっと到着!360度見渡せ、北には岩壁の永田岳、東の海の中には種子島が見える。晴れたことに感謝し景色を堪能する。昼食後、北へ下り、永田岳を左に北東に伸びる尾根道を進む。永田岳尾根の切れ目を霧が流れる。風の通り道らしい。巨岩の平石を過ぎ、渓谷に低灌木が目立つようになる。シャクナゲの開花に喜びの声をあげる。樹林帯に入り、ヒメシャラの森を抜けて、新高塚小屋へ到着。デッキに早々テントが一張。でも中は余裕。だんだんテントも小屋泊も増えてくる。煮込みラーメンを食し、翌日の水の確保をしてその日は終了。
 次の日、清々しい朝の空気を味わいながら高塚小屋を目指す。縄文杉はその近くで、根元は規制縄が張られ、展望台からその姿を仰ぐ。二千数百年の年月を耐えて形成された幹、枝。圧倒的な姿だが、さらしてはいけない姿を見せてくれているようにも思える。夫婦杉、大王杉、巨木原生林を下り、ウィルソン株へ。これまた、何という大きさ。方広寺へ送られたらしいがその後は?秀吉大仏とともに消失したのか。大株歩道を下るにつれ人が増えてくる。道を譲らず上手に下るようリーダーより指示。枯死しても立つ翁杉を過ぎ、大株歩道入口へ。ここからトロッコ軌道の木道をひたすら歩く。途中で昼食をとり、楠川分かれから辻峠へ。苔の道を経て白谷山荘。そして苔に覆われた渓谷、白谷雲水峡へ。「もののけ姫」の森を楽しみながら、終点雲水峡入口到着!!
 7名中5名は70代という今回のメンバー、その逞しさに脱帽。親しくなった若い人は年齢を聞いてびっくり。個人的には宮之浦岳のピストンでいいと思っていたが、縦走してみて大変だけどその良さが分かった。計画、準備、手配等をして下さった方々に感謝。帰りの船の中、この海を何度も行き来し、屋久島の物語を書かれた椋鳩十さんは、今の時代なら何を書かれただろうかとふと思う。

(記 新江みどり)

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