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2019年7月  グループ山行

笠ヶ岳(2897.6m)

岐阜県高山市

7月25日(木)〜7月29日(月)

 【参加者】6名 CL滝 SL宮木(一) 宮木(澄) 原田 井原 岡畠

コースタイム

【1日目】7/25 広島駅(7:30)⇒県連バス⇒平湯(16:02)⇒新穂高温泉・宝山荘別館(泊)
【2日目】7/26 新穂高温泉⇒登山開始(7:50)⇒わさび小屋(9:35)⇒小池新道(10:16)⇒秩父沢(11:28)⇒昼食(12:45)⇒鏡平山荘(15:04)(泊)
【3日目】7/27 鏡平(6:00)⇒弓折乗越(7:06)⇒大ノマ乗越(8:00)⇒秩父平(10:26)⇒抜戸岳・笠新道分岐⇒笠ケ岳山荘(15:05)(泊)
【4日目】7/28 笠ケ岳山荘(5:50)⇒笠新道分岐(7:30)⇒杓子平⇒笠新道口(14:02)⇒新穂高ロープウエイ駅(15:55)⇒新穂高温泉・国立公園口(風呂&夕食)⇒平湯(19:20)
【5日目】7/29 平湯⇒県連バス⇒広島駅着(5:20)

報 告

 今回の登山は、一般的には1泊2日のコースを3日かけてゆっくりのんびり登る、との説明があり、こんなうまい話には乗らないと後悔する、との判断で参加させていただきました。
久々の北アルプスに心がはずみ出発しました。

 2日目の登山開始時は、天気も良く左俣林道をゆっくり歩きはじめ、わさび小屋の山水で冷えたリンゴを食べ一服し、小池新道に入り本格的な登山道となりました。秩父沢(1720m)を過ぎ、お腹もすいた12:45登山道の広いところで昼食をとる。
 シシウド・チングルマ・ゴゼンタチバナ・エンレイソウ・イワカガミなどの高山植物も花盛りで,気がなごむ。
 15:04目的の鏡平山荘(2280m)に到着。 途中、鏡平は岩や池で自然の日本庭園になっており、木道のほとりのキヌガサソウも鮮やかに白い花を開いていた。
 まずは、全員無事到着を祝い、生ビールで乾杯する。 しかし、山荘や鏡池の展望デッキからの景色は雲に隠れたままで、皆がっかりする。
 ところが、奇跡は夕食後に起きたのです!!
 18:30徐々に雲が薄くなり、槍ケ岳の穂先がそのシルエットを見せ始めたのです。
滝氏・宮木氏・岡畠の3名は急いで鏡池のデッキに走り、眼前の大逆転劇をかたずを呑みながら見守る。  周りにはまだ数人の見物人しかいなかったが、宿からその様子をうかがっていた客が、カメラを手に徐々に増えはじめ、百人近い大撮影会となった。 滝氏より大パノラマの説明を感動とともにうかがった。 左から槍ケ岳・大喰岳・中岳・南岳・大キレット・北穂高岳・涸沢岳・奥穂高岳・ジャンダルム・西穂高岳までが真正面にくっきりと見えたのです。 私たちも興奮しはじめ、宿で休んでおられた、原田氏・宮木氏の奥様・井原氏を急いで呼びに行く。 この感動は分かちあわねば!!
さぞかし、向こうの肩の小屋や南岳小屋からもこちらの景色がクッキリと見えていることだろう。

 3日目(土)鏡平山荘では2階の広い角部屋を、私たち6名だけで独占でき、ふとんも1人に1枚と贅沢な夜を過ごせた。
 朝6時、青空に映える南側の大パノラマを見渡しながら、ゆっくり登って行く。弓折乗越(2560m)で一休み、7:29弓折岳(2585m)を超えたころ、山道にお約束のライチョウ親子が現れた。 人を警戒する様子は無い。 はい松のほとりに珍しいクロユリを発見。今日もついている。高山植物も今日もきれいに咲き誇っている。 ウサギギクもササユリも見ることができた。
 8:00大ノマ乗越、ここから200mのきつい登りだ。 南側の大パノラマも北側の黒部五郎岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳もくっきりみえる。 イワヒバリがはい松の間をチョロチョロ動き回っていた。
 10:26秩父平で行動食をとる。 少し雨がパラついてきた。 このあたりから天気は下り坂となっていった。 秩父平の急坂を登りきると、抜戸岳(2813m)。平たい岩を重ねたような岩海が左側に続く。稜線上を通過するときは、強い左からの吹上に見舞われた。 すでに景色はない。 しかし、恐怖を感じるほどではない。
 笠新道との分岐に着いた。関西からの女性の多い団体が新道から登ってきた。 先に行き始めたがすぐに追い越された。私たちのペースはゆっくりゆったりしている。
笠ケ岳への門・抜戸岩を通過。 雨と風の中、他の登山者に抜かれながら、ようやく宿まで“もう一息”のペンキがでた。 皆、疲労感が強くなってきた。 “もう一息”がながーく感じられた。
15:05予定より大幅に遅れたが、笠ケ岳山荘(2810m)に全員無事に到着した。
 ここでも部屋はわれわれのグループだけで独占できた。 ふとんも1枚十分に使えた。
天候悪化のため、笠ケ岳頂上(2898m)登山は取りやめ、滝氏と酒・ビールで親交を温めた。 熱帯低気圧に変わった風が、山荘の窓をヒューヒューとたたく音をききながら、深い眠りについた。

 4日目(日) 天候は回復せず、5:50ガスの中、笠ケ岳山荘を出発した。
 7:30昨日通った笠新道分岐(2780m)に到着。杓子平へ下る。またライチョウがあいさつに出てきた。 コバイケイソウやチングルマ・ハクサンイチゲ・ショウジョウバカマの花畑に大岩が点在する広場だ。 しかし、ゆるやかなのはここまでであった。 黒と灰色と白の美しい柄のホシガラスも2羽すぐ近くまできて、あいさつしてくれた。
 ひたすら下界に向かって降りて行くが、岩がゴロゴロしていて、勾配もきつい。 木の根も濡れていてすべりやすい。 緊張感と歩きにくさで腹がたってきた。 鉄のはしごや鉄板の橋は親切だが、疲れる。
 驚くべきは、この歩きにくい胸突き道を登ってくる“ヤマガール”達とすれ違うことだ。 かなりの脚力を要する。 昨日の関西の女性軍団もこの坂を登ってきたのだ。 でも、滝氏はこちらのコースが一般的とのこと。 私は、この登り6時間かかるコースは“ごめんなさい”です。
 森林限界も過ぎ、暖かくなってきた。 下界の左俣谷の豪快な水の音が近くなってきた。
 14:02笠新道の入口に到着。 そばのホースからの水を浴びる。 気持ちいい。何も言えねえ!
 その後は、ゆっくりのんびり、国立公園口のレストランで風呂に入り、ビールで皆の無事下山と成功を讃え合い、高価な飛騨牛を食べて,平湯の集合場所へ向かった。
 笠ケ岳ゆっくり登山成功・バンザ−イ!!

(記 岡畠)

歩いたコース

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【歩いたコース】緑色:26日; 青色:27日; 赤色:28日



【26日】
   距離と標高


   時刻と標高



【27日】
   距離と標高


   時刻と標高



【28日】
   距離と標高


   時刻と標高




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